★PTA事務局長は青木氏が継続
全日私幼PTA連合会(森喜朗会長)の総会が7月2日(水)、13時から東京私学会館で開催された。
全日私幼連の吉田敬岳会長(愛知県・自由ヶ丘幼稚園)が最初に挨拶を行い、「(少子化事情など)今の状況なので、幼児教育は大事だと誰もが言ってくれる。しかし言うだけで終わっていることが多い。すべての子どもが豊かに育つ環境づくりを具体化させていくには、幼児教育に関わる私たち、そして子どもの親がどんな動きをするかにかかっている。一緒に頑張りましょう」とPTA連合会との連携強化を呼びかけた。
「幼児教育無償化」の打ち合わせなどで遅れて到着した森喜朗会長は、挨拶の中で次の3点を提示した。
①全日私幼連の三浦貞子前会長の要請でPTA会長を務めてきたので、三浦先生の退任に伴い自分も辞めるべきだと思っている。しかし11月のPTA大会をすでに私の名前で設定・招請しているので、責任上11月までは会長を続け、その後は皆の意見を聞いて改めて考えたい。
②11月のPTA大会は、10年間にわたる三浦前会長の労苦を慰労し、功績を讃える場にして、改めて吉田新会長へのバトンタッチを明らかにしたい。
③全日私幼連の青木事務局長が退任したが、国会対策などに精通している人なので、PTAについては私が会長をしている間は、ボランティアの形ででも引き続き事務局長の任にあたってもらうようにしたい。
なお後継会長候補について森会長は、「私立幼稚園への理解を深めた国会議員が何人も育ってきた。その中から選べばいい」とした上で、「たとえば」と中曽根弘文参議院議員、麻生太郎前外相、遠藤利明衆議院議員(山形県代表PTA委員)の三氏の名をあげた。
この言を受けた役員改選では、森会長の続投が決まり、各地区選出の副会長の中に、会長指名として遠藤代議士が加わった。
慣例により吉田敬岳会長は相談役に就いたが、吉田会長からの提案で、三浦前会長も相談役に就任してもらうことが承認された。
また青木宏之前事務局長については、改めて吉田会長から提案があり、ボランティアではなく正規の非常勤スタッフとしてPTA事務局長に留まることが承認された。このことは事前に本人の承諾を得ているとのことだった。
と、大きな波乱はなく終わった総会だったが、気になる点がひとつあった。これまで同PTA連合会の活動を支え、研修事業などの牽引役になっていた埼玉県の出席がなかったことだ。
委員名簿も埼玉県だけ空欄になっていた。議長からは「埼玉県からはまだ委員の報告がありません」とだけ説明があったが、これは、組織体質改革のために無言の意思表示をしたものと考えられる。
「子育てフォーラム」「子育てジャーナル」など、PTAと連携して親の意識啓発活動に力を入れてきた埼玉県は、全日私幼PTA連合会についても、「もっと親みずからが企画実施する研修事業を行うべきだ」と提案してきた。しかし聞き入れられず、政治活動中心の組織になってきた。そのため県内では以前から「このような全国組織に加わっているのは意味がない」との議論が行われてきた。
すでに一部雑誌では、「埼玉県はPTA組織から脱会する意向だ」と伝えられている。
(社)全埼玉私立幼稚園連合会の平原隆秀会長(春日部成就院幼稚園)にその点を尋ねたところ、「脱会するかどうかは全日PTA連の出方次第だ。しばらくはその様子を見させてもらう」との返事だった。
埼玉県は、私立幼稚園全組織の約1割を占める大きな組織で、しかも結束の固い組織なので、この日の欠席意思表示は、新たな火だねを生む可能性がある。
全日私幼連=
http://www.youchien.com/
全埼私幼連=
http://www.youchien.ed.jp/
幼稚園情報センター 片岡 進