★本当の安全ママチャリが誕生
後ろに通園服を着たお姉ちゃん、前に入園前の弟を乗せてママがハンドルを握る。そんな三人乗り自転車は幼稚園の周辺でよく見かける。「幼児1人まではいいが2人はダメ。危険だから」というのが道交法の規定。幼稚園からも再三注意を受けている。しかしそうせざるを得ないママ側の事情もわかる。だからこれまで黙認されてきた。
ところが2008年3月、警察庁は罰金(2万円)も含めた取り締まり強化を打ち出した。これに対して「冗談じゃない、これを規制して何が少子化対策だ!」と子育てママが一斉に声を上げた。そのため警察庁は「3人でも安全な自転車が開発されれば認める」と方針転換した。
安全基準が示されたのが昨年7月。さっそく自転車各メーカーは試作品づくりに取り組み、その試乗会が2009年3月4日、東京葛飾区で行われた。
試乗会の様子は新聞、テレビで大きく報じられたので割愛するが、「どうしてこれまで、こんな自転車が誕生しなかったのだろう?」と思うほど、丈夫で安全、便利なタイプ(全10車種)が勢揃いした。試乗したママ70人の評価も上々で、今年秋から店頭に並ぶという。
しかし問題は価格だ。安いモノでも6~7万円。より安全快適なタイプだと10万円以上になる。1万円前後で買える現行ママチャリに比べると目の玉が飛び出る。趣味とは違う実用自転車にそれだけのお金を出すのは誰しも躊躇するところである。
そこで、これこそ各自治体の子育て補助金を活用すべきではないだろうか。購入時に一定額の補助金を出す方式もあるが、子育てが終わると使われなくなることも多いので、必要な期間、自治体が無償または低額で貸し出す方式が良いと思う。
次に使う人のことを考えれば、大事に、そして盗まれないように使ってくれるはずだ。卒園した幼稚園ママが制服や帽子を新米ママにバトンタッチしていく姿を見れば察しがつく。
そしてこれを突破口に、ベビーベッド、乳母車(バギー)なども貸与できる道を拓いてもらいたい。幼児教育無償化と同時に子育て用品の無償化&リユースである。草の根の少子化対策であり環境対策である。全日本私立幼稚園連合会はじめ各都道府県私幼団体が、その運動に取り組んでもらいたいと切に願う。
幼稚園情報センター 片岡 進