「一歩ずつでも前に進める」と

全日私幼連総会、幼児教育無償化に声高らか

下村文科相らが来賓挨拶で積極姿勢

2013年5月28日
PHOTO
遠藤利明(えんどう・としあき)

遠藤利明(えんどう・としあき)
自民党教育再生実行本部長。山形1区選出衆議院議員。全日本私立幼稚園PTA連合会副会長。1950年1月生まれ山形県上山市出身。中央大法学部卒。代議士秘書、山形県議会議員を経て国政に。文部科学副大臣などを歴任。

★義務教育化と連動の含みも
2013年4月22日(水)、東京市ヶ谷の私学会館(アルカディア市ヶ谷)で行われた全日本私立幼稚園連合会(香川敬会長)の定時総会。来賓は下村博文文科相、河村建夫自民党選挙対策委員長(全日私幼PTA連会長)、遠藤利明自民党教育再生実行本部長(同副会長)、橋本聖子自民党政調会長代理(参議院政審会長)の4人。毎年出席している中曽根弘文自民党幼児教育振興議連会長(参議院議員会長)は海外出張で欠席したが、自公政権の復活で本来のラインナップが復活した。(このほかに文科省から初中局長、幼児教育課長が出席)
自民党が2005年から政権公約に掲げてきた「幼児教育無償化」は、野党、マスコミ、保育所団体らの反発でややトーンダウンし感じだが、来賓議員はいずれも無償化の推進を高らかに打ち上げた。しかしその表現は「2014年度以降に一歩ずつでも前に進める」と慎重な構えになっている。
まず下村文科相は、「無償化は、田村憲久厚労相、森まさこ少子化担当相の実務三者会合で6月に中間とりまとめを行う。私が2013年度予算編成でもっとも力を入れた幼稚園就園奨励費は20億円の大幅増額となり同時在園の第3子からは無償になった。これをさらに前進させる。安倍政権の安定持続によって無償化が実現できる。協力してほしい」と述べた。
河村選対委員長(元文相、元内閣官房長官)は「民主党政権によって幼児教育無償化が高校無償化にすり替わった。高校無償化が悪いとは言わないが順序が逆だ。三党合意で成立した子ども・子育て支援新制度にしても根幹が間違っていないかどうかよく見て、必要な見直しを行っていく。PTA連の会長として無償化の機運を国民運動に盛り上げていきたい」と述べた。
遠藤本部長は「6・3・3制の改革が教育再生の命題だが、その前提として幼児教育無償化がある。そのことは明日、総理に提出する第二次提言に盛り込む」と述べたが、そのとおりの内容が5月23日の提言にあった。さらに「小学校の入学年齢を1年引き下げる議論があったが、それはやらない。たしかに義務教育になれば無償化ができる。しかし義務化するとしても幼児教育の中で行う」と加え、無償化と義務教育化が連動することに含みを残した。また、子どもに関わる政策が厚労省、保育所のペースで進みがちな現状を懸念し、もっと教育の視点を大事にすべきだとも訴えた。
7月に4回目の選挙を迎える橋本議員は「前回のポスターには“幼児教育無償化の実現に取り組みます”と大書したが、今回のポスターでは“幼児教育無償化を実現させます”とした。命がけでやります」と宣言。さらに6人の子どもと2人の孫を持つ橋本氏は「孫の幼稚園の運動会では祖父母競争で必ず1位になります」とも宣言した。またソチ冬季五輪の対策プロジェクト委員長でもある立場から「幼稚園教師になった村田愛里咲選手(福岡県・行学幼稚園)のモーグル出場が有望視されます。幼稚園教育を盛り立てるためにも応援しましょう」と呼びかけた。
これを受けて香川会長(山口県・鞠生幼稚園理事長)は「私立幼稚園はこれまで、財政格差に苦しみながら教育内容の充実に懸命の努力を続けてきた。幼児教育無償化の道もまた険しいが、千回でも一万回でも交渉して、保育所、公立幼稚園との財政格差を1ミリでも縮めていきたい」と執念を燃やした。
この4人の来賓挨拶と会長挨拶をつなげたダイジェスト動画をYouTubeにアップしてあるのでご覧いただきたい。

※全日私幼連総会「下村文科相ほか4人の来賓と香川会長の挨拶」(YouTube)


幼稚園情報センター・片岡進