子どもと親の生活実態と価値観を探る

「あんふぁん」園児とママのデータ集

“今は子育てを第一に”の意識は健在

2010年2月23日
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毎年1月に発行されるデータブック。今回で第7集。A4判67頁。定価1800円(税・送料込み)。エクセルデータ収録のCDとのセット販売もある。

毎年1月に発行されるデータブック。今回で第7集。A4判67頁。定価1800円(税・送料込み)。エクセルデータ収録のCDとのセット販売もある。

幼稚園ママのためのフリーマガジン月刊『あんふぁん』。北海道、東北、埼玉、千葉、東京、神奈川、東海、関西、九州と九つのエリア版で計約72万部が発行されている。

幼稚園ママのためのフリーマガジン月刊『あんふぁん』。北海道、東北、埼玉、千葉、東京、神奈川、東海、関西、九州と九つのエリア版で計約72万部が発行されている。

★フルタイム勤務の母親にも十分対応
私立幼稚園の園児保護者に広く読まれている雑誌に月刊『あんふぁん』(三山百合子編集長)がある。サンケイリビング新聞社が制作発行し、幼稚園を通じて各家庭に配布されるフリーマガジンだ。教育問題や生活習慣の特集から、健康、科学、スポーツ、おやつ・お弁当レシピ、交通安全、民話、行楽、写真技術など“幼稚園ママ”に伝えたい情報が凝縮して詰め込まれている。
その『あんふぁん』が毎年1回、読者にアンケート調査を行い、「園児とママのデータ」という資料集を発行している。 具体的項目がきめ細かく集計されていて、園児の生活実態、母親の価値観、幼稚園の選択基準など幼稚園関係者には参考になることの多いデータブックだ。その一部を紹介しよう。
まず母親の職業。まだまだ専業主婦が多く76.2%を占める。パート・アルバイトが12.8%、自営・在宅ワーク等が7.2%でフルタイム勤務は3.8%だ。幼稚園の預かり保育が一般化している状況を考えると、働く母親の比率が少ないようにも思えるが、預かり保育を利用する母親は45.5%にのぼっており、それだけ専業主婦も、親の介護、地域活動、小学校のPTA、趣味や生涯学習など、預かり保育を利用して自分自身の活動を広げている様子が覗える。
また比率は少ないものの、3.8%のフルタイム勤務者が幼稚園に子どもを通わせているということは、預かり保育が十分に機能していると言える。
「子どもが小さいうちは仕事を持つことに抵抗があるか?」の問いには77.8%が「そう思う」と答えているが、一方で「近い将来、仕事をしたいですか?」には86.1%が「はい」と答えている。つまり幼稚園ママの大半は、「今の自分にとって一番大事な仕事は子育て」と割り切っているのである。
「そんなことが言えるのも経済状態に余裕があるから」との声が聞こえてきそうだが、世帯年収は400万未満が20.2%、500万未満だと44.4%、600万未満なら64.4%という具合。「1年前と比べて家計はどうですか?」には67.7%が「苦しくなった」と答えており、子どものために娯楽費、食費、ママとパパの小遣いを切り詰め、歯をくいしばっている姿が見える。
★「子ども手当」の使い道は6割が貯蓄
急遽付け加えられた「子ども手当の使い道」(複数回答)は、「貯蓄」が64.4%でトップ。次が「子どもの習い事」の48.9%。このふたつが図抜けている。子ども手当の意図が、まだよく理解されていないとはいえ、堅実な幼稚園ママの手にあっては、大半が将来の備えに回りそうである。
園児の生活習慣については、「早寝早起き朝ご飯」の状況を見ると、48.4%の子どもが21時までに就寝。22時までだと91.7%になる。「最近の幼児は夜更かし」との指摘がさかんにされるが、幼稚園児は健全なレベルにある。起床も7時までに起きる子が46.9%。8時までだと95.6%が起きている。平均睡眠時間は10時間だ。
朝ご飯も99.1%の子どもが食べており、幼稚園児の生活リズムは世間で考えられている以上にしっかり守られている。ところが小学校、中学校と進むと、これが音を立てて崩壊していくから弱ったもの。母親の仕事再開などもあって、子どもに対する親の意識が知らず知らず薄らいでいくのかも知れない。
つまり母親の子育て意識は幼稚園時代がピークだとも言える。そんな母親が幼稚園に何を期待しているか。複数回答でのトップは「楽しい園生活」である。続いて「外遊びや体を動かすこと」「集団生活に慣れること」「友だちづくり」「思いやりを身につける」と並び、「しつけ教育(あいさつやマナー)」「安全対策」「食育」「勉強(読み書きなど)」は下位にとどまっている。
ホンネとタテマエなのか。いやそうではなく、幼稚園教育の本質に対する母親の見方が高まったと考えるべきだろう。
「幼稚園選びで重視する点は何ですか?」でも、「家からの距離」がトップにあるものの、その後は「園の教育方針」「地域での評判」「先生方の保育内容」と並び、それを裏付けている。その結果、かつて上位にあった「給食の有無」「通園バスの有無」は下がってきた。
もっと内容を詳しく知りたい方は、「あんふぁん」のホームページ「あんふぁんぶる」からデータ集を購入することができる。
http://www.enfanble.jp/
お問い合わせは、サンケイリビング新聞社・あんふぁん事業部
TEL 03-5216-9181 FAX 03-5216-9266