11月22日、東京大学・福武ホールで開催

幼稚園・保育園IT教育カンファレンス

幼児のための適切な取り組みを考える

2014年10月20日
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森喜朗(もり・よしろう)。

森喜朗(もり・よしろう)。
元首相、元文相、全日本私立幼稚園PTA連合会最高顧問。

山内祐平(やまうち・ゆうへい)。

山内祐平(やまうち・ゆうへい)。
東京大学大学院情報学環准教授、NPO法人エデューステクノロジーズ代表理事、「幼稚園・保育園IT教育カンファレンス2015」実行委員長。情報技術を用いた学習環境のデザインについて開発研究とフィールドワークを連携させた研究を展開。著書は「デジタル社会のリテラシー」(岩波書店)、「デジタル教材の教育学」(東京大学出版会)など

★30%の幼児がパソコンを使っている
 2014年9月3日、東京虎ノ門・ホテルオークラで開催された全日本私立幼稚園連合会のPTA全国大会で、同PTA連合会最高顧問の森喜朗元首相は締めくくりの挨拶で次のように述べた。
 「気象状況の変化で思ってもいなかった災害があちこちで起きています。同じように子ども達の間でも信じられない事件や問題が起きています。絶対にやってはいけないことがわからなくなってしまったようです。その原因のひとつはスマホ、つまりITだと言われます。IT社会の推進を決めたのは森内閣なので複雑な思いでもあります。しかし情報伝達やコミュニケーションの上でこれほど便利なものはありません。自動車は事故を起こすから危ない、飛行機は墜ちることもある。だからといって自動車や飛行機をやめようという話がないように、ITをやめることはできません。ただ便利なものには必ず問題が起きます。そのことをしっかり見極めた上で、正しく適切に使っていくことが必要です」と、子ども達がIT環境に入っていく前に“絶対にやってはいけないこと”を幼稚園と家庭できちんと身につけていく大切さを訴えた。
 一方で雑誌『あんふぁん』(サンケイリビング新聞社)の「園児とママのデータ2013」によると、すでにパソコンを使ってYouTubuを見たりゲームをしている幼稚園児が28.6%(年少25.0%、年中38.9%、年長32.8%)という実態がある。「まだ使っていないが、ぜひ使わせたい」と考えている親も30.4%となっている。オムツをしている孫が親のスマホで祖父母の写真を撮る光景は珍しくない。IT環境が広がるほどに、子ども達はITの日常に溶け込んでいる。この実情にどう向き合っていくか、幼稚園関係者は考えてみる時である。
 そんな中、幼稚園で行う園児のためのIT教育を考える研究会合が2014年11月22日、東京大学で開催される。題して「幼稚園・保育園IT教育カンファレンス2015」。「21世紀型スキルと幼児教育」について基調講演を行うのは同会議実行委員長で東京大学大学院准教授の山内祐平氏。そのほかメディア、IT事業、教育プログラムなどの企業関係者、現場の幼稚園・保育園の経営者らから幅広く意見発表、事例報告が行われ、参加者とのディスカッションも予定されている。こうした協議から、幼稚園でのIT教育にどのような道筋が見えてくるのか注目される。

◆幼稚園・保育園IT教育カンファレンス2015
◆日時=2014年11月22日(土)13:00〜20:30
◆会場=東京大学情報学環・福武ホール
◆主催=(株)スマートエデュケーション
◆参加費=1人10,800円(税込み)
※詳しい内容と参加申込書は添付のPDFをご覧ください。

※カンファレンスの案内・申し込み用紙(PDFファイル)
※幼稚園・保育園IT教育カンファレンスHP
※(株)スマートエデュケーションHP